紙箱・パッケージ印刷で重要な設計の注意点
紙箱・パッケージ印刷で重要な設計の注意点
パッケージの生産で重要な点は「デザイン」&「設計」と言っても過言ではないです。
パッケージを作る目的を考慮した上で適切な設計ができるかどうかはクライアント・デザイナー・印刷会社にとって非常に重要な課題です。パッケージを設計する流れと設計する際の注意点についてご紹介させていただきます。
パッケージ設計の流れ
- 内容物の確認: パッケージの設計を行う際、まず最初に中に何を入れるかによって設計するパッケージのサイズや形状が決まります。内容物だけでなく、緩衝材や成形品が入るかどうかも考慮します。
特にギフトボックスでよくあるサイズの違う商品を複数いれる場合は、仕切りの設計を検討します。
- 素材の確認: 次にパッケージの素材を何で作るかを確認します。特に注意したいのが「紙の厚さ」。設計の際は紙の厚さを計算に入れておかないと、実際に組み立てた際にズレたり、差し込み口が綺麗に収まらなかったりします。
また、クライアントの要望や用途によって、よく使う厚紙以外のプラスチック素材や段ボール合紙なども検討します。
- 加工の確認: パッケージに対してどのような表面加工をするかも確認する必要があります。素材と表面加工の組み合わせによっては、パッケージのサイズが縮むこともあります。特に印刷後に熱がかかるPET貼り加工やプレスコートなどの加工で1mm程度紙が縮むなどの事例もあります。
- 設計: これらの条件を確認してから設計を進めることで生産後のトラブルを回避できます。クライアントから明確な形状指定が無い場合は、2〜3パターン用意して提案すると、具体的なイメージを共有しやすくなります。
当社では、お問い合わせの際にご記入いただいた内容をベースに上記の1~3をご提案、お見積りの上、設計させていただいています。
パッケージ設計の注意点
- 見せ方の考慮: パッケージをどのように見せたいかによって、形状は全く異なります。「豪華」「カジュアル」「シンプル」など、見せ方も設計の重要な情報です。同じような商品が並ぶ店頭の場合は他の商品との見せ方の違いにも注意が必要です。
- 内部構造の設計: 中に仕切り底上げなどを入れる場合、外のパッケージ設計段階からそれらを組み入れて設計します。外枠だけでなく完成形をイメージして設計しましょう。設計を頼む際は、手書きや汚くてもいいので簡単なイラストがあれば伝わりやすくなります。
- 予算の考慮: パッケージを設計する上で、予算も重要な要素です。素材選択、印刷方法、加工の有無などがコストに影響します。これらは全て設計によって大きく変わります。また、クッキーの型取りのようにパッケージも大きな生地(紙)から型取り(面付け)しますが、いかに無駄なく形どるかもコストに反映されます。
- 使用環境の理解: パッケージを実際に使用する環境を理解した上で、素材や加工を選定します。冷蔵庫や冷凍庫に入れる場合は水気に強い耐水の紙や糊貼りのないN式の形状。店先で手に取る商品なら耐久性をあげるため、表面PP貼り加工など検討します。
- 輸送方法の検討: パッケージを運ぶ時、内容物を詰めて運ぶのか、シュリンクフィルムで包装か。あるいは、大量に組み立てる前の畳んだ状態で運ぶか輸送方法にも注意します。印刷したパッケージは輸送時の擦れる場合もあるので、輸送方法を確認の上で必要な表面加工を検討する必要があります。